Gardenがーでん

ひとりの主婦の小さな世界 

さよならエコー


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エコー

 

エコーがとうとう無くなるのか…

ある間は「まだあったんだ!懐かしいなあ」と呑気に思っていたのに。

 

同じ思い出の人だらけだと思うけど、私にとっても“おじいちゃんが吸っていたタバコ”

である。

私が6歳になるまでエコーは身近にあったタバコだ。

なぜ6歳なのか?

おじいちゃんは私が小学校へあがる1週間前に亡くなったからだ。

 

 

おじいちゃん子だった私はいつもいつもおじいちゃんにくっついていた。

完璧なる無条件で可愛がられていたように思う。

おんぶされて散歩に行ったことや、冬のこたつでいつも膝の上に座っていたなあ。

あんなに安心できる場所は他にはなかった。

 

 

今では見ることはないのだが、昔はよくテレビ番組が中断されて画面に「しばらくお待ちください」という文字だけが映し出されてぴーーーーーーーーーーーーーーという音が鳴り続けることがあった。

私はそれがこわくてこわくてこたつに潜っておじいちゃんにしがみついていたっけ。

 

 

そんなおじいちゃんはいつもエコーを吸っていた。

多分安いから吸っていたのだと思う。

無駄遣いなどせず謙虚な人だった。

 

 

あの頃はタバコは世界にあふれていた。

おじいちゃんのタバコのにおいが嫌だと思ったことはない。

 

 

それなのに今はタバコのにおいがすると気分が悪くなる。

いつからこんなになってしまったのかな。

世界のにおいが変わってしまったのだろうか。

 

もしかしてエコーが特別な香りだったのか?

今のタバコの方が私の臭いセンサーにひっかかるのか?

それとも大好きなおじいちゃんの香りだったから気にならなかったのだろうか。

 

 

私はおじいちゃんが死んだ時、泣けなかった。

父が亡くなった時も。

どうやら私は時間がたってじわじわと悲しみがわいてくる人のようだ。

ショックから凍り付いた心が静かに溶けていくときに本当の感情が帰ってくるのかな。

 

 

でもおじいちゃんに大切にされた私が私の核としてある。

あのくすんだオレンジの小さな箱は私が愛された証拠として存在していた。

 

 

廃盤になるということはその商品の死を表すのだろうか。

でもそうなら、エコーはおじいちゃんの所へいくのか。

そうかおじいちゃん40年ぶりくらいにエコー吸えるんや。

よかった。

あのくすんだオレンジ色の箱を握っているおじいちゃんが笑っている。

そのオレンジ色に包まれた私は幸せものなんだと思い知った。

 

 

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