この映画に興味を持ったきっかけは香水だった。
ふわふわっとした花の香りから段々と水辺の匂いになり最後は深い水底に来たような感覚になる何とも言えない香りだった。
この香りは「うたかたの日々」と言う映画をモチーフにして作られたと言う。
肺の中に睡蓮の花が咲く病気になった妻の為に奔走する男の物語らしい。
とてもシュールな映画でダンスシーンで人物の足がびょーんと伸びたりするとかなんとか、、
不思議でロマンチックな物語なのかな?と興味をそそられた。
アマプラで無料では無かったのだけど、どうしても観たくなってレンタルして観ました。
見初めて5分で私が思った事は「レンタルじゃなく購入すれば良かった!」だ。
パステルカラーの画面にワクワクする音楽!
横一列に並んだ人達が目の前に流れてくるタイプライターを打つ。少し打つと直ぐに横に流れて行って横にいる人がまた続きを打つ。
その文章はこの物語の冒頭部分だ。
何これ!たのしい!!
一瞬で惹きつけられる始まり方です。
主人公のコランの家は広くて明るい。働かなくても良い身分の人のようだ。
コックで友人のニコラがお皿の上で踊る不思議な料理を作っている。
ある作家にのめりこんでいる友人のシックが家にやってくるのだけど、呼び鈴がゴキブリのように這いまわってなり続ける。コランとシックが握手する時に握りあった手がぐるぐると回転する。
はい。カオスですね。笑
それが軽快で楽しい音楽に乗って繰り広げられるのだけど、そういう世界だと割り切れば面白くなってくるんですよね。
ダンスパーティーでコランが運命のひとクロエと出会う。そこでビグルモアというダンスをしているのだけど、これが噂の足びよ~んダンス!!!どうやって撮影しているのかきになってしょうがなくなります。(動画を貼るので見てみてください)
数日後、ニコラが焼いたピンク色のデコレーションケーキを切ると中から香水瓶とクロエと次のデートを示すお手紙が出てくる。シックは香水をがぶ飲みして、コランはデートに飛び出して行くんです。ありえないんだけど可愛くて大好きなシーンです。
コランは内気な感じで直ぐに自分の言動を恥じて逃げ出したりする男なのだけど、クロエはそれを優しく包み込んでくれるんです。素敵カップルの出来上がりです。
白鳥型の乗り物に乗って街の空を飛ぶというロマンティックなデート。。。
ここで流れる曲でクロエが歌詞を“コラン”に変えて優しく歌う声が可愛すぎて、、、
幸せ絶頂な2人の結婚式も又奇天烈でカオスなんです。
教会の入り口から式場までのカーチェイスや謎のロケット発射!めくるめくシュールワールド!
しかしですね、、、、、早くもここらへんから不穏な空気が流れて行くんです。。
画面が明らかに今までとは違う色になって行くんです。。。
クロエが肺に睡蓮の花が咲くという奇病になってしまいます。
ここら辺から坂道を転げ落ちるように不幸が襲ってきて、、、、、、
家がだんだん狭くなって窓から日が差さなくなり色彩が無くなって、、
最後は完璧な白黒になって終わってしまいます。
びっくりするくらい最初と最後の世界が違うんですよ。
やっぱりレンタルで良かったかと一瞬思うくらい悲しい。
もう観るのは結婚するまででいいわ、、、こんなに悲しいなら、、、、と思うくらい。
もやもやして、居てもたまらずボリス・ヴィアンの原作小説を購入。👈
読んでみた。
感想
「先に映画見といてよかった~!!!!」(そこ??笑)
フランス文学とはこんなだいたい感じなのか??
前にジャン・ジュネの「泥棒日記」を読んだ事を思い出しました。
感情と詩の羅列で物語が全く分からなかった!笑(でもハマって他の作品も読みまくったけど!!!)
ジュネとは違うのですが、ありえない事がさも当たり前みたいにサラリと書いてあって
理解しようとすると「う?うううん???」て頭がグルグルになるタイプのやつ。
視覚で予習したから「ああそうゆう事か~」と思えるのであって映画を観ていなかったら「う?うううん???」ですわ。
そう思えばかなり原作に忠実に映像化しているので感動ものです。
監督天才やわ。
しかしですね。。。ラストが暗黒なのは変わらない訳で。。
どーしていいか判らなくなってもう一回映画を通してみた。
うたかた 泡沫
幸せって泡沫なのかな。泡沫のように消えて行くものなのか。
ぼ~っとして生きているけどこの日々が泡沫なのかもしれない。
なんか泡沫って大切なんかもしれない。
大切に思わないといけなのかもしれない。
消える前にありがとうと言えるように心がけるようにしよう。
ナンテありきたりの事を思いました。
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