公開当時気になっていた映画を観た。
「岸辺の旅」
私は行方不明になっていた夫がいきなり帰ってきて、妻と旅に出る話と認識していたが、、、
実際みてみると
夫は死んで帰って来ていた!(⊙ロ⊙)
そ。浅野忠信は幽霊役!
さすがだ、、やるな、、浅野。
ストーリーはこうだ。
3年間も行方不明だった夫が帰ってきたが、自分は既に死んでいるという。
その夫から「旅にでよう」と言われる妻。
夫は自分が死んでから辿ってきた町と人達に妻を紹介していく。
端的に言えばこんな感じ。
映画自体は淡々と進んでいく。
私はこの映画で
妻の胸な閉じ込められた3年間の激しい想いが見え隠れするのがたまらなかった。
泣いて叫びたいのに
幽霊になって帰ってきた夫が消えてしまうのが怖くて
触れたら壊れてしまうのがわかっていて
気持ちを抑えている女の気持ちか滲んでいて、、
この妻と対照的な雰囲気で出てくるのが
夫の元愛人だ。
妻は死んだように生きていて、どこか生と死の狭間にいるような感じがする。
しかし愛人は生きている人、イヤ、生きて行かなくてはいけなかった人なんだなと思う。
愛人役の蒼井優の笑顔は無茶無茶怖かった。
やるな。蒼井。
この映画は死んだ人と残された人とのお話でもある。
それぞれの伝えたかった思いが交差する。
又、美しいシーンも多い映画である。
どのシーンもノスタルジックな風景で
現実ではないかのように感じさせる。
しかし、なんと言っても浅野忠信だ。
やばい。
浅野忠信しかないやろ!と思える役。
彼だからこそ成立した役だなと。
優しい世捨て人みたいな。
空気のように妻の側にいるあの感じが凄かった。
この夫は妻に
「好きだよ。ごめんね。」って言う為に帰ってきたんだろうな。
淡々と喋る彼の声が耳にこびりついて離れない。
忘れられない映画になりそうだ。