日曜日、旦那がどうしても映画に付き合えと言って来た。
何がいいか聞いてきたが結局彼の中では「ジョーカー」一択だったようだ。
凄く見たい映画ではない。
何故なら私は「ジョーカー」さんを知らない。
バットマンを観たことがないからだ。
ジャック・ニコルソンやヒース・レジャーさんが演じて有名だということだけしか知らない。
そんな私が観て嬉しいのかどうか、、
第一今日は月に一度だけ慎吾ちゃんたちに会える「ななにー」の放映日なのに!
半ばイラつきながら映画館に入った。
映画冒頭から
もう
やばい
緊張感が、、、、、、
ファーストシーンから今にも破裂しそうな爆弾を観ているかのよう、、
物によれば好きな世界なのだが、、これは…ホンマ
主人公のアーサーは病気の母と貧しい2人暮らし。
道化師の仕事をしながらコメディアンになることを夢みている。
いきなりおかしな声で大笑いをしてしまうクセがあるためか、同僚には気持ち悪いヤツとからかわれる孤独な男である、、、
ストリートギャングたちには格好の餌食になるし、誰もが彼をゴミくずのように思っている。
過酷な状況もさることながら彼のしぐさや表情は本当にヤバイ。
道化師の化粧をしながら両手の人差し指を口の端差し込み、無理やりぐいいいと持ち上げる。笑顔を無理やり作っているのだが持ち上げ方が尋常じゃない。
そこまでしないと笑顔がつくれないのか…と思えるくらい。
彼のガリガリの体の後ろ姿を見て「デビルマン」を思い出した。(原作の方ね)
今にも黒い羽根が背中を突き破って出てきそうだ。
ゴミと落書きだらけの汚い街の中で主人公の妄想、混乱、狂気が延々と続く。
しかし彼自体は人を笑わせるのが好きな心優しい男なのだ。
そんな彼を街が人が肉親でさえズタズタに引き裂き続ける。。。。
ラストシーン手前の解放という名の爆発までは、マジ観たことを後悔するような映画だった。
ラストの方で彼が「ジョーカー」になった瞬間、観ている方もやっと救われる感覚になる。悪いヤツを懲らしめてやったぞー!!!!ひゃっほう~みたいに。
胸がすっとしてしまうんですよ、、これが…
観終わった後に一番に思った。「精神を病んでる人は絶対観てはいけない」
ラストの解放まで耐えられない人はあの絶望には耐えられないかもしれない。
ラストまで耐えた人は「ジョーカー」そのものになってしまうだろう。
俺もジョーカーになりたいって思うかもしれない👈
ヤバイ。。。。。。
まじヤバイ。。。。。。。
旦那は想像どおり「いやあああ良かったあああああ!かっこえかったーーーーー!」と満面の笑顔だ。
そう…精神が健康な人の感想だ。
健康で自分と他者を引き離して考えられる人の感想。
私は胸がもやもやもやもやしたマンマだったが、旦那と話しているうちにだんだん「ジョーカー」がジワジワと侵食してきた。
最寄り駅に着く頃には「髪を緑色に染めた…い…」くらいの脳内になっていた。👈
そうヤバイのは私だ。
ラストの街の暴動シーンに紛れ込みたく…なって…
暴動はなぜ起こるのか
なぜ「ジョーカー」が生まれたのか
それがきちんと描かれていた。
ヤバイ。。わかる。。。日本も私も爆発寸前のような気がする。
ほら
ヤバイってこの映画!!
(ヤバイのはお前だ)👈
映画の中で彼が殺したエリートのリーマン。
ニュースになって大々的に報道された。「ジョーカー」は言う。
自分が殺されていたらニュースはおろか誰も興味がないだろう。と
だれも悲しまないだろうと。。
マジそうだよな!泣くわ!!
でもそんな守られた層にいる人間に不満がある貧しい人々にとっては「ジョーカー」はヒーローになちゃうんですよ。
彼のピエロの顔を模して仮面をかぶり、
そしてその仮面にチカラを借りて大勢の人間が心を爆発させる。
解放の祭り(暴動)。
「ジョーカー」の行動が引き金になったのだ。
そして、アーサーは生まれて初めて人に認識された。それも英雄(ヒーロー)として。
このシーンを同じフラストレーションを抱えた人が観たら…
ひいいいいいいいいいいいいいいいいい👈
とかなんとか考えている間に2日たち少し落ち着いた私(笑)はやっと彼に感情移入を始めた。
彼の繊細で弱い部分が描かれていたシーンを思い出した。
普段の私ならまずそこをみるだろうに、あの必要以上に流れる不穏な音楽のせいでうまく彼の心に入れなかったんですよ!(あの音楽のせいで緊張がとけないのよ!!)
思い出したのはアーサーが大好きなTVスターのマレー(ロバート・デ・ニーロ)の番組を彼が観覧しに行っている設定のシーンだ。
観覧席にいる彼にマレーが声をかけてステージに上がらせる。
親孝行なアーサーを褒めたたえてから、このような事を言った。
「君が息子なら他になにもいらない。」
2人は抱き合い涙する。
このシーンがアーサーが欲しかった全てだ。
もし誰かがアーサーを抱いて彼を愛していると、、君が大切だよと言っていたら、、
ジョーカーは生まれなかったのに…
本当の彼は只々人を愛し愛されたいだけの男だったのに…
彼が不幸な死に方をする結末だったらおんおん泣いていただろう。
しかし彼は死なない。覚醒した。
しかし「ジョーカー」は無差別殺人をしている訳ではない。
自分に優しくしてくれた人のことは大切に思っているのがわかるシーンがある。
そんな所があるから彼の覚醒を応援したくなってしまうのだ。
胸がすく思いをしてしまうのだ。
なんだか正義のヒーローみたいに思ってしまうのだ!!!👈
ああ感情だけぶつけてしまったのだが、私が感じた他の事も書き記しておきたい。
まず第一に…
風景がやたらキレイ!
サウスブロンクスでロケをしていたそうで、アメリカのダークな部分がよー見えていましたが、、、映像としては美しいシーンがとても多かったんですよ。
あれね、あれさあ例のあの鳴り続けている不穏な音楽さえなければ気持ちよく見る事ができる画像だと思う。ホンマ音楽って影響大ですね。
第二は主演の
ホアキン・フェニックスすげえ!!
恥ずかしながら私は彼について何も知らなかった。。。
リバー・フェニックスに弟がいる事も、こんな凄い俳優さんだという事も知らなかったよ…
ググるとこの映画で見せたくたびれた怖い顔じゃないイケメン顔の写真がいっぱい出てきてビビる…
あんなに顔変わるんや…無茶苦茶痩せて役作りしたんやろな…
なんだろう…演じているというより存在しているという感覚だった。
彼の何ともいえないあの不穏なダンスを見て欲しい…
あれ…なんだかすごいの。。脳裏にやきつく。
それとは別だが、最近観た「永遠に僕のもの」を思い出す。
同じ殺人犯の物語。
どちらもダンスシーンが特徴的だ。
二つのダンスが私の脳裏を回り続ける。
アーサーは陽圧されたものが爆発系でカルリートス(永遠に僕のもの)は天性の悪魔系だ。一方は漫画のキャラで一方は実在の人物がモデル。
カルリートスを演じたロレンソ・フェロは「ジョーカー」をどう思うだろう…と思っていたら彼のインスタのストーリーズにホアキン・フェニックスの写真が何枚もあがっていた…ヒイイ。。。
おまけにインスタの写真がかなり削除されていて…ヒイイ。。。
ヤバミを感じざるをえない…
運命変えないでね…フェロくん…
まあこんな感じでかなり何日も引きずる映画ですわ。
あの緊張感に耐えられるかわからないけど、もう一回観たい、、、、、
観たらどうなるんだろうか私。👈
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